小型焙煎機の作製 2 (撹拌翼)

攪拌翼について

小型焙煎機の撹拌翼についてです。

撹拌翼とは、シリンダーとかドラムとか呼ばれている筒状の回転体の中で、
火にあぶられている焙煎豆をかき混ぜる役割をする大切なパーツです。
半熱風であれ、直火であれ、焙煎の方式が変わっても、
生豆に均等に熱を与えるために、
よくかき混ぜながら熱する必要があるのです。

業務用などの焙煎機は、カバーに覆われていますから
普段は、その中にあるシリンダーや撹拌翼を見る事ができません。
小型焙煎機の作製に当たっては
撹拌翼をどのようなものにすれば良いのか?
ナゾの多い所です。

今日は、実際に撹拌翼を作ってみて、実験をして確かめたいと思います。


先行事例、目標

先行例としては
1.『C0FFEE ARCHIVE』TSUJIMOさん
自作焙煎機(半熱風)の中の、kickさんに紹介してもらったpdf.の図。

2.『モノクロ珈琲』sheafさん
井上製作所HR−11のシリンダー内部の写真

3.『移山房』で見せてもらったフジローヤルの内部
等々がありますが、

これらを参考に
1.よく撹拌する事。
2.ドラムを逆方向に回転させたとき、焙煎豆が排出されるようにする事。
この二つを目標にして考えを進めていきたいと思います。



実験装置

頭の中でいくら想像していても、わからないので
手回しの簡易装置を作って実験をする事にしました。

実際に「撹拌翼がどのように働いているのか?」
確かめようと思います。


実験装置は、これです。

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中が完全に見えるようになっています。
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東急ハンズをうろうろしているとき、
たまたまアクリル製の円筒を見つけて、この実験を思いつきました。
アクリルの筒の大きさはφ150mm×高さ200mmで
実際に予定している筒よりも、ひとまわり小さなものになっています。
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各部品は、本番用のものをそれぞれ利用しています
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シリンダーとシャフトをつないでいるのが『シャフトホルダー』です。

シャフトホルダーφ10

a0042726_20594798.jpg名称:縦型シャフトサポーター
メーカー名:オザック精工(株)
型番:SFW10
価格:1900円






フレームパイプ

a0042726_211090.jpgアルミパイプの端部にナットを仕込んで、
前面と後面のアクリル板をネジ止めできるような
フレームパイプを4本作りました。







スチロール板を翼の形に切り抜いて、筒の中にセロハンテープで貼付け、
生豆200gを実際に入れて回転させてみる事にします。




撹拌翼の形状

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図1のように、円筒形の断面は、楕円形です。
図2の様になるように職場のK山君にCADで書き出してもらい、撹拌翼の基本形としました。
(K山くん、ありがとう。)




実験


A.
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羽を四枚螺旋状になるように貼付けます。

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回転方向を変える事によって、豆が奥から手前に移動し素早く排出する事ができました。
問題点としては、焙煎時に豆の位置が奥の方に偏りすぎていることがあると思いました。



B.
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羽を中央で半分に切りずらして貼付けました。中央に隙間を作り豆のかたよりを防ごうとしたのです。

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豆の片寄りが少なくなりましたが、完全に良くなったと言うほどではありません。
豆の排出は、残りなく行われますが、Aに比べて時間がかかる様です。


その他
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その他いくつかのタイプで試してみましたが、結論としては、AまたはBが現在有力であると思われます。

またその他の問題点として、全面パネルと撹拌翼の間に豆が挟まり、回転に引っかかりが出る場合があるので、全面パネルと羽の隙間の距離は5mm〜10mmの間で調整が必要と感じました。また排出口にも豆が引っかかる事があるので改良が必要と成りそうです。


まとめ

・豆の排出は回転方向を変える事により楽に行える事がわかった。
・AまたはBで検討する。
・豆の引っかかりを防ぐ調整が必要。
・スプリングタイプの蝶番は有効である事がわかった。

以上,予想より良くできたなー。と思います。
とんきちでした。
by tonnkiti2002 | 2005-12-12 03:36 | 焙煎機 | Comments(22)
Commented by UGQ at 2005-12-12 17:51 x
はじめまして。UGQともうします。
>全面パネルと撹拌翼の間に豆が挟まり
前回のレポートでコメントしようと思ってましたが、気が付きましたね。
この間隔の調整が、一番難しい。
いま。8kと60kの焙煎機を使っていて、毎月交互にオーバーホールしてはいるが、この調整だけは、メーカーさんから「やるな」ときつく言われている。
他は部品交換すれば、半永久的につかえるが、
この間隔だけは、焙煎機の寿命につながるらしい。
羽はBが、うちの60kに近いかな。
バーナーの上下移動は名案だと思う。
後アドバイスするとしたら、保温力だろうな。
色んな焙煎機使ったけど、ドラム前後の鋳物の厚いのが、一番安定していてすきだな。
もっともこれは連続焙煎をする上での話で、余り関係ないか。

Commented by monk at 2005-12-12 21:18 x
こんにちわ。

ココまでやるとは!って思いましたが、とても重要なことですよね。
リアルタイムで出来上がっていくところが見れて楽しいです!

Commented by tonnkiti2002 at 2005-12-12 22:17
UGQさん
はじめまして。とんきちです。大変貴重なアドバイスをありがとうございます。
なんせ、素人。焙煎機を分解して内部を拝む事など皆無なわけですから、とにかく手探りで進めるしかない状態です。
そのような中で、具体的な評価や経験を聞く事ができまして,とてもありがたく思っています。
『保温力』については、他の方からもアドバイスをもらっていまして、「ポイントなんだろうなあ」と、改めて思います。鉄板を厚くするなどの対応を考えています。
UGQさんの文章は、niagaraさんからのリンクをたどって以前から読せていただいています。我々の知らない産地の様子が知る事ができ、珈琲の世界の広さを思い知らされる貴重なブログとして注目しています。今後ともなにとぞよろしくお願いいたします。
Commented by tonnkiti2002 at 2005-12-12 22:26
monkさん
こんばんわ。
いやね。なんとゆうかね。やってみたかったんです。
でも、やったらやったで、それなりの経験値が上がりますので、
ムダとは言い切れないかなとも思っています。
作製の方に反映させたいと思います。
(いよいよ作らなきゃなーと言う感じですか。自分でプレッシャーかけてます。)
Commented by kick at 2005-12-13 00:10 x
こんばんは
業務用の焙煎機の攪拌の羽根は、豆が出る側の一方向だけに回っています。排出用の扉を開けたときは豆が出てきますが、扉を閉じると、前面のパネルと扉にぶつかり、奥に放り投げられるようになります。
取り付ける角度が最初の実験のやつより、もっと浅いのです。攪拌用の羽根というより、奥からの搬送といった形になっています。ですから、前の日記で書きましたが内径か内径よりわずかなに大きな円で良いということです。
Commented by ロデム at 2005-12-13 01:08 x
とんきちさん、こんばんわ
本当に熱心ですねー、感心しています。
きっと良い焙煎機が出来る、ともう確信しています。

HR-11の攪拌翼もkickさんの仰るように浅い角度のようです。
排出口の扉を開けると、もうドバッ!と豆が出てきます。
シリンダー2・3回転でほとんど全ての豆が一気に排出されます。
Commented by dridri at 2005-12-13 01:22 x
こんばんは、
焙煎機の攪拌の羽根、参考までに写真と図を(下手な)アップしましたのでよかったら見てください。急いだのでメチャクチャアバウトな図になってしまいました。分かりにくいところがあればコメントしてください。
焙煎機はフジローヤルの3k釜です。もうずいぶん前の型(20年前)ですので現在と形が違っているかも分かりませが参考になればと思います。

分かるかなあ…分からないかなあ…微妙に心配になっています。
Commented by sheaf at 2005-12-13 04:54
予備実験でこんなに凄いなんて…!本当にビックリしました。経験値、上がりまくりですねー。小型焙煎機の完成、本当に楽しみです。
Commented by niagara-cafe at 2005-12-13 08:34
すっ、凄い実験ですね!参りました。とてもじゃないですけど、ぼくには真似できません・・・。
話の焦点がズレまくっていますが、実験装置のフレームパイプで止めるところなんかカッコよすぎですよ!!

Commented by UGQ at 2005-12-13 14:11 x
とんきちさんブログ見て頂いてたんですね。もう少し産地の話をしてから、生豆についての話しをやろうと思っています。
失礼ながら、リンクはらさせて頂きました。

最初のコメント入れた後、焙煎機の羽をもう一度見に行って戻ってきたら他の皆さんのコメント入ってたので、省略させて頂きます。
ただ最初、胴が長いかなと思っていたんですが、これはバーナーに合わせたためでしょうか?
ちなみに、8k(半熱風)の方、直径35cm胴50cmでした。 ご参考まで。
Commented by tonnkiti2002 at 2005-12-13 16:34
Kickさん
いつもいつもほんとうにありがとうございます。
実は「内径よりわずかなに大きな円」も実際に作ってやってみたのです。
うまくいかず、作り方が間違っていたのかと思いながら、やめてしまいました。
今思えば「取り付ける角度が、もっと浅い」ところを
最初の実験のように「深い角度」をつけていたのでうまくいかなかったのだと思います。
もう一度やってみます。
そういえばTUJIMOさんは羽を6枚つかっていました。どうして6枚も必要なのだろ?と思っていたんですが、角度が違っていたんですね。
角度が浅いと豆の片寄りも減るような気がします。問題がかなり解決です。
いいところに気づかせていただきました。ありがとうございました。
Commented by tonnkiti2002 at 2005-12-13 16:34
ロデムさん
ありがとうございます。
>本当に熱心ですねー、感心しています。

いやー。「熱心病」にかかってしまいました。
やりだすと止まらなくなるような症状が出ています。
度が過ぎますとやがて息切れしますので、気をつけなきゃと思います。
ところで、焙煎機を担いで電車に乗るような人も、
ボクの見立てでは立派な「熱心病」ですよ。お大事に!!(笑)
(ここにコメントするような人は多かれ少なかれみんな「熱心病」でしたね。忘れてました。)

>排出口の扉を開けると、もうドバッ!と豆が出てきます。
そんなにすぐ出てくるんですか。いい機械なんですね。
ボクも2・3回転で全部排出されるような機械を目標にしたいと思います。
Commented by tonnkiti2002 at 2005-12-13 16:35
dridriさん
こんにちは。ありがとうございます。
>かるかなあ…分からないかなあ…微妙に心配になっています

わかるもわからないも、これ以上詳しく書けない位詳しい内容で。
手にとるようによおくわかります。こおゆう資料はどこでも見たことがないのです。
感激しております。
感想は。作った技術者の執念のようなものを感じまして、
見ちゃいけないものを見たような。回転翼の世界の奥深さを覗き込んだような。衝撃を受けました。こおゆう物には特許もあると誰かのブログで見ましたが、そうだろうなと思います。この寸法のそれぞれの違いはなんなんでしょう。びっくりです。
二段になっていて上の段と下の段は豆が逆に流れるんですね。すごいです。
HR-11も小さいですが二段の羽になっているんですね。初めて意味がわかってきました。
ボクはシンプルを目指そう。そう思いました。ほんとありがとうございます。
Commented by tonnkiti2002 at 2005-12-13 16:35
sheafさん
>経験値、上がりまくりですねー

その上、皆さんにいろいろ教えてもらって、いい事尽くめです。ほんとに。
sheafさんの言っていたとおり「自作で厄介そうだと思われるのは」やはり羽根でしたね。
羽根の世界も際限なさそうなので、キリをつけてどっかで引き返さなければなあと思う今日この頃です。
Commented by tonnkiti2002 at 2005-12-13 16:36
niagaraさん
>とてもじゃないですけど、ぼくには真似できません・・・。

真似しなくていいんです。niagaraさんはniagaraさんの道を進んでください。

>話の焦点がズレまくっていますが、実験装置のフレームパイプで止めるところなんかカッコよすぎですよ!!

いいとこ言ってくれました!!とんきち的にはど真ん中です。ずれてません。
実は試験装置ができたところで満足してしまってかなり喜んでいたんですね。
危うく実験を忘れるところでした。
Commented by tonnkiti2002 at 2005-12-13 16:36
UGQさん
ありがとうございます。
>胴が長いかなと思っていたんですが、これはバーナーに合わせたためでしょうか?

そのとおりです。バーナーにあわせました。
しかし、銅が短いほうが熱効率がいいような気がしてきました。考えてみたいと思います。

ブログ、こちらでもリンクさせていただきます。
これからのお話し、楽しみにしています。
Commented by rucola at 2005-12-16 00:04 x
はじめまして,rucolaと申します。
昨日夜中にこちらで焙煎機の作成1と2を読ませていただき,あまりの凄さ熱心さに驚きました。私も以前から自作機を作ろうと思ってはいたのですが,なかなか実行に移せなくて,昨日こちらを拝見したあとからなんだか急にやる気が出てきて頭にあった構想を図面に書き始めました。
攪拌翼は大いなる謎で,メーカー品や凝ったものには共通して「どんな効果があるのか予測理解できない奇妙な羽」がついているように思います。
自作機の作成頑張ってください!
よろしければ,こちらにリンクを張らせてもらっても良いでしょうか?宜しくお願いします。
Commented by tonnkiti2002 at 2005-12-16 11:33
rucolaさん

はじめまして。と言いますか、
以前からブログ読ませていただいてます。
今は麻袋企画で盛り上がっていますね。(ボクも参加させてください!!)
以前は欠点豆の話しがとても興味深いものでした。
今回の「小型焙煎機の作製1と2」は rucolaさんが書いていた「(期待はずれ)自作焙煎機」のページへの自分なりの返答(ラブレター?)のつもりで書いたものです。ご本人に届きましてうれしい限りです。
ボクも「各種部品の名前がわからない。イメージはあるのに,ネットで検索してもお目当ての物が出てこない」と言ったような、手探りのレベルからはじめまして、モーター1個探すにも回り道しまくりでした。
多分これからも同じ調子でしょうが、何とか完成させようと思っています。
とにかく、目標だけは見失わずに、進みたいと思います。
お互いやってやりましょうね!!
リンクぜひお願いします。こちらでもリンクさせていただきます。これからもよろしく!!
Commented by masa at 2005-12-17 16:01 x
はじめまして。
COFFEE JUNKEYSさんところで噂を聞きつけて見に来ました。
いやぁ、素晴らしいテストモデルですね。
作らない迄も、構造が非常に解りやすいモデルだと思います。

家にあるのはラッキーの4Kg釜ですが、中身はAのモデルに近いです。
ですが、その撹拌羽根は外側と内側の二重に成っていて、方向が逆についています。
今度、写真を撮ってのっけますね。
Commented by tonnkiti2002 at 2005-12-17 17:57
masaさん
はじめまして。とんきちです。
モデルおほめいただきまして、ありがとうございます。
羽根の写真楽しみです。ぜひよろしくお願いします。
フジローヤルの羽根は「コーヒー大好き」のdridriさんに写真を見せていただきました。(やっぱり二段でした)
ラッキーはどうなっているんでしょう?楽しみです。
マサズカフェ今日少しだけ読んでいた所です。これからよく読ませていただきます。勉強のためにもmasaさんの豆を注文させていただきたいと思っているんです。その節はよろしくお願いいたします。
Commented at 2005-12-18 16:05 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented at 2005-12-18 16:06 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。


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