チャフ(喫茶・豆売り)

1.コーヒーとの出会い
 −喫茶店「風車」−

コーヒーとの出会いは
高校一年生の秋か冬、だったと思います。

高校の生物実験室の黒板の前で、
小学三年生からの幼馴なじみが、
こんなことを言ったんです。

「ネーチャンに聞いたんだけど、駅のほうに、
 カウンターだけの小さい喫茶店があるらしいんだ。」

その小さい喫茶店に反応したボクは、
「こんなくらい?」と言いながら
三畳間くらいの大きさの箱を、生物実験室の黒板の前で、机を縫いながら、
グルーっと書いて見せたのです。
(子供が陣取りをするように)
「そうそう、そんなくらい。」
「えー。そんなめずらしいのがこの町にあるんだ〜。すごいなあ。」
(ほんとは東北弁で言ってますけどね)
「今度言ってみようか!!」

早速、次の土曜日、部活の前に、学校を抜け出して
自転車コイでいってみました。
その小さな喫茶店。

場所は駅の近くで、
名前は「風車」と言います。
学生服のまんまの中学出たてのような子供でしたから
店の人は、さぞ珍しい客だと思ったことでしょう。
間口が狭く、奥に長い
たった六席のカウンターだけの小さな喫茶店でした。

アラジンの魔法のランプみたいな、
口の長いポットで入れているのもはじめて見ましたし。
ネルドリップもはじめてみました。
メニューの看板には、みたこともないコーヒーの名前がずらーっと
「ブレンド」や「各種ストレートコーヒー」の他に
「フレンチ」
「エスプレッソ」
「カフェオレ」
「カフェロワイヤル」
「トルコ風」
「中華風」なんてのもありました。

今ならあたりまえのメニューも
なんせ、25年以上も前の岩手の田舎町のことですから
そりゃあもー。カルチャーショックなわけです。

一緒に行った相棒が何を頼んだのか覚えていません。
とんきちは、なんだか、ぜんぜんわからずに、
ただカッコよさそうだったから「フレンチ」を頼みました。

小さなランチョンマットの上に
水とミルクと砂糖つぼを乗せまして
そこに
出てきました。「フレンチ」が

なぜか、かなり緊張して、あがっていたと思います。
カッコつけと言うか、義務感と言うか、背伸び感で
「ここは、ブラックで飲まなくては。」と思い込み
今までやったこともないくせに
あたりまえのような顔を作りながら
砂糖を入れずに飲んでみました。

〈ニガー。〉
〈とっても。ニガー〉

無理をして、でも平静を装って、
最後までブラックで飲みました。
(そおゆうお年頃だったんですねー)

店を出てから、もうコリゴリだ、とはならずに
「また行こうな〜。」となりましたので、
感じ入るところがあったのだと思います。

「メニューを全部征服しよう」とか言いながら
それから毎週土曜日、必ず相棒と二人で、
学生服のまんまコーヒーを飲みに行くと言う習慣が
高校卒業までの二年半、ずーと続くことになるのです。


当時の様子が
その後出版された雑誌ブレンドNo.2(1983)に掲載されていますので
引用しておきます。

『一関駅から歩いて5分。カウンターだけで6席しかない、ほんとうに小さなコーヒー店
 である。しかし、市内のコーヒー通の間ではまず、ほとんどの人が知っていると言って
 よい。
 オープンは昭和51年。店主の小原憲二さんは、開業前コーヒー卸問屋で焙煎技術を
 じっくり学んだ。それだけにコーヒーへの思い入れは、温厚な人柄からは想像がつか
 ないほど熱く、鋭い・・・・・・・』


マスターの小原さんとも仲良くなり
高校卒業ひかえ、
上京しての大学進学が決まった時、
「東京に行くなら、この店にいったほうがいい。」
といって、手渡されたメモには
銀座『カフェドランブル』の
場所が書かれていたのでした、、



2.『風車』移転。改名『チャフ』

その後、駅前の『風車』は、
名前を変えて移転をし、
文化センターそばの自家焙煎の店『チャフ』となり
再び去年、郊外の山の中に移転をして
現在の『チャフ』になっています。

年末年始は、岩手に帰っておりましたので
毎度の事ながら『チャフ』に行ってきました。

今は,人気の少ない山の中の店です。
自宅の庭先に一戸建ての店を構えて
主に車での客を相手にしながら
豆の卸売りのほうも力を入れているようです。

店の外観です。

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看板です

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中に入ると、今年一年の活動を暗示するように、麻袋が無造作に置いてありました。
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それから、ホームページを作るそうで、ギフトの撮影の真っ最中でした。
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店内の様子です。
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マスターの小原さんです。
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焙煎機はラッキーの4キロ釜。
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コーヒーは、抜けの良い、あっさり系ですが
コクや甘みを消さない工夫をしているように感じられました。
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窓の外は、すごいです。
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暖かくなれば、田んぼと山だけの風景になります。


「田舎の立地を生かしつつ、どうやってコーヒーを広めていくか
 色々試行錯誤しているのだ」
と言うお話をマスターから聞く事ができました。

また、今度お盆にお邪魔したいと思います。
その節もよろしくお願いいたします。


きょうは、
コーヒーの出会いと、現在の『チャフ』のお話でした。
by tonnkiti2002 | 2006-01-14 00:51 | お店 | Comments(18)
Commented by kick at 2006-01-14 02:08 x
同じ釜ですね。こちらの方が少し新しいタイプのようです。
同じ県内でも、一関は雪が少ないのですが、今年は多いようですな。もっとも私のところは3倍以上はあります。
今度帰省される時はご連絡お願いします。必ず時間を作ります。

Basieの方にコメントすればよかったのですが、Basieの壁にかかっている、若い頃のC.Basieのデッサン(作 野口久光氏)を、岩手のコンサートの時、借りてポスターにしました。
Commented by tonnkiti2002 at 2006-01-14 15:59
>kickさん
県内でも雪は、場所によって相当違いますよね。今年は特に、皆さん雪が多く大変不便な事と思います。東京などは雪もなく青空が続きますので、地方の方がこられるとビックリされるんじゃあないでしょうか。
次はお盆の頃帰る予定です。その折には連絡いたしますのでぜひよろしくお願いいたします。

C.Basieのデッサン見た事あります。野口氏の作品だとは知りませんでした。
Kickさんも、相当BASIEとは縁が深いようですね。
Commented by monk at 2006-01-14 22:32 x
自宅の庭先に一戸建ての店を構えてってのが良いですねー

豆を買うだけの店にはしたくないほど良い内装ですね。
休日の朝が似合いそうな雰囲気です。
Commented by tonnkiti2002 at 2006-01-14 23:45
>monkさん
移転したての店ですが、特に内装はうまくいったようです。
狭くなく広くなく、きれいな店になりました。
大家に家賃を払わなくていい店ですから、経営的にも理想ですよね。
Commented by dridri at 2006-01-15 02:14 x
今晩は、
とんきちさん、良い所に故郷があっていいですね。
kickさん、チャフさん、すばらしく良い環境でお店をやられていて
羨ましい限りです。忘れかけていた夢が思い出されます。いろいろ
苦労もおありでしょうが、私もできる事ならどこか田舎の環境の
良い所でお店をしたいと思っています。
あ~~~ 宝くじ、当たらねえかなあ…
Commented by UGQ at 2006-01-15 08:43 x
俺も田舎だけど雪は、滅多と降らない。
一旦降ると少しの雪でも、みんなスタッドレスとかチェーン用意していないから、たちまち道路は大渋滞。
で、氷点下の焙煎は、俺にとって未知の世界だな。
吸気と排気が、どれくらいなのかさっぱり分からない。
これは、kickさんに聞いた方がよさそうだな。

話は変わるが、かっての農園仲間が、鹿児島方面の離島に移住した。
そこで、コーヒー栽培やり出したんだが、残念ながら冬が越せなかった。
順調なら俺も追従するつもりだったが…。
品種改良もどんどん進んでいるようだが耐寒性と言うのは、誰も作らないだろうな。

Commented by tonnkiti2002 at 2006-01-15 11:46
>dridriさん
「チャフ」は、田舎に帰るたびに、お邪魔している店なのですが。
やはり、長い間には変化もあり、店を続けるのは大変な事と言うか、
すごい事なんだなあと、思わされます。
dridriさんにおかれましても、夢を忘れずに、
きっと、宝くじが当たる事をお祈りいたします(笑)
Commented by tonnkiti2002 at 2006-01-15 11:47
>UGQさん
日本人が日本で栽培するコーヒー!!
それならば、栽培も収穫も乾燥も加工も運搬も高品質なものが期待できそうですね。今時の事ですから多少値段が張ってもスペシャリティーな商品になりそうな気がして、ほんとうに期待してしまいます。

冬が越せなかったんですか。残念です。
Commented by UGQ at 2006-01-15 13:26 x
>日本人が日本で栽培するコーヒー!!
あ~。うまくいけば独占販売のつもりで、いたんだが。

国産コーヒーと言えば小笠原だな。100年以上の歴史がある。
以前はURLもあったんだけど。
まぁ文献も結構あるから、興味があったら調べてくださいな。
Commented by 客人 at 2006-01-15 17:22 x
サザの鈴木さんの本で沖縄のコーヒーがおいしかった話がありました。豆づらは悪いとか。
ブログ繋がりの方が生豆を買ってきたと言っていたけどこれのことかなぁ。

どうもです。年末年始によく読ませていただきました。
Commented by tonnkiti2002 at 2006-01-15 20:16
>UGQさん
沖縄や小笠原でやっていると言う話は、本などで見た事がありますが
小笠原に100年もの歴史があるとは。知りませんでした。
ネットで、少し調べてみたいと思います。

独占販売残念でしたね。今年は特に寒かったからかもしれませんね。
ハウスにしたら金が掛かりすぎるだろうし、、、
Commented by tonnkiti2002 at 2006-01-15 20:21
>客人さん
会の方ではいつもお見かけしてますが、ブログの方では「はじめまして!」です。
年末年始に読んでいただいたそうで。ありがとうございます。
「Passagier's 家庭焙煎メモ」の方は、以前より折に触れて遊びにいかせてもらっています。
ダブル焙煎や水洗いや、炊飯器の利用や、圧力釜の利用などなど、
果敢な挑戦を興味深く読ませていただいてます。
早速ですがリンクはらさせていただきます。
今後もよろしくお願いいたします。

沖縄コーヒーはおいしいんですね。でも流通してないんですよね。
量が採れてないんでしょうか。ぜひ一度飲んでみたいものです。
Commented by sheaf at 2006-01-15 22:36
実際に生活するとなると大変なのかもしれませんが、雪国には心惹かれます。一度、チャフさんで窓外の景色を見ながら美味しい珈琲を飲んでみたいものだなあ、と思います。今年もよろしくお願いいたします。
Commented by tonnkiti2002 at 2006-01-15 23:02
>sheafさん
お久しぶりです。
なにはともあれ、あけましておめでとうございます。
大変な所を乗り越えられて、さぞさわやかでありましょう。

今年のような豪雪地帯の自然災害ともなればまた話は別ですが、
少しであれば雪のある生活も季節感があってよいものです。
でも雪国の人が東京に来ると、晴れ渡っている空を見て
うらやましがるんですよ。
本当は、たまに遊びにいく位がちょうどいいのかもしれませんね。

今年もよろしくお願いいたします。
Commented by niagara-cafe at 2006-01-16 17:18
高校の時から珈琲を飲みに喫茶店に通っていたなんてカッコいいですね!ぼくなんて、相棒と将来ラーメン屋をしようと盛り上がって、高校生活はラーメン屋巡りで棒に振ってしまいました。

それにしてもさすが岩手は、雪が多いですね・・・。
Commented by tonnkiti2002 at 2006-01-16 21:36
>niagaraさん
>ラーメン屋巡りで棒に振ってしまいました。

いやー。そう思えばボクも人生、棒に振りまくりだなあ。
ぶんぶん振って三振王かもしれないな。
一本くらいホームランにならんかなー。ぶん。ぶん。

ラーメン屋巡りも良いですね。
ボクはあっさり系の「中華そば」が好きです。
(とんこつ系はちょっとダメ)
Commented by kick at 2006-01-17 00:41 x
私の高校時代は、実は一関だったのです。Basieも風車も無かった頃の話です。喫茶店には普通に入っていましたし、自分でもドリップしたりしていましたが、まだまともなコーヒーに出会わず、なぜこんなものが美味いんだろうと思っておりました。
結局、遊びすぎて、学校を棒に振ってしまいましたが(笑)……。
Commented by tonnkiti2002 at 2006-01-17 22:14
>kickさん
そうですか、高校は一関でしたか。それはそれは。

>自分でもドリップしたりしていましたが、まだまともなコーヒーに出会わず、なぜこんなものが美味いんだろうと思っておりました。

「まともなコーヒー」との出合いはほんとに大切だと思っています。
皆さん、いろいろな出会われ方をされていると思いますが、
自分の場合はいろいろとラッキーだったなあと思っています。
とくに「チャフ」のマスターには、影響を受け、お世話になりました。


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