とんきちのコーヒーレポート:お店
2012-12-24T18:18:45+09:00
tonnkiti2002
こんにちは。ぼくは『とんきち』です。コーヒーについて報告します。よろしくね。
Excite Blog
チャフ(喫茶・豆売り)
http://tonnkiti.exblog.jp/3017456/
2006-01-14T00:51:40+09:00
2012-12-24T18:17:59+09:00
2006-01-14T00:51:40+09:00
tonnkiti2002
お店
−喫茶店「風車」−
コーヒーとの出会いは
高校一年生の秋か冬、だったと思います。
高校の生物実験室の黒板の前で、
小学三年生からの幼馴なじみが、
こんなことを言ったんです。
「ネーチャンに聞いたんだけど、駅のほうに、
カウンターだけの小さい喫茶店があるらしいんだ。」
その小さい喫茶店に反応したボクは、
「こんなくらい?」と言いながら
三畳間くらいの大きさの箱を、生物実験室の黒板の前で、机を縫いながら、
グルーっと書いて見せたのです。
(子供が陣取りをするように)
「そうそう、そんなくらい。」
「えー。そんなめずらしいのがこの町にあるんだ〜。すごいなあ。」
(ほんとは東北弁で言ってますけどね)
「今度言ってみようか!!」
早速、次の土曜日、部活の前に、学校を抜け出して
自転車コイでいってみました。
その小さな喫茶店。
場所は駅の近くで、
名前は「風車」と言います。
学生服のまんまの中学出たてのような子供でしたから
店の人は、さぞ珍しい客だと思ったことでしょう。
間口が狭く、奥に長い
たった六席のカウンターだけの小さな喫茶店でした。
アラジンの魔法のランプみたいな、
口の長いポットで入れているのもはじめて見ましたし。
ネルドリップもはじめてみました。
メニューの看板には、みたこともないコーヒーの名前がずらーっと
「ブレンド」や「各種ストレートコーヒー」の他に
「フレンチ」
「エスプレッソ」
「カフェオレ」
「カフェロワイヤル」
「トルコ風」
「中華風」なんてのもありました。
今ならあたりまえのメニューも
なんせ、25年以上も前の岩手の田舎町のことですから
そりゃあもー。カルチャーショックなわけです。
一緒に行った相棒が何を頼んだのか覚えていません。
とんきちは、なんだか、ぜんぜんわからずに、
ただカッコよさそうだったから「フレンチ」を頼みました。
小さなランチョンマットの上に
水とミルクと砂糖つぼを乗せまして
そこに
出てきました。「フレンチ」が
なぜか、かなり緊張して、あがっていたと思います。
カッコつけと言うか、義務感と言うか、背伸び感で
「ここは、ブラックで飲まなくては。」と思い込み
今までやったこともないくせに
あたりまえのような顔を作りながら
砂糖を入れずに飲んでみました。
〈ニガー。〉
〈とっても。ニガー〉
無理をして、でも平静を装って、
最後までブラックで飲みました。
(そおゆうお年頃だったんですねー)
店を出てから、もうコリゴリだ、とはならずに
「また行こうな〜。」となりましたので、
感じ入るところがあったのだと思います。
「メニューを全部征服しよう」とか言いながら
それから毎週土曜日、必ず相棒と二人で、
学生服のまんまコーヒーを飲みに行くと言う習慣が
高校卒業までの二年半、ずーと続くことになるのです。
当時の様子が
その後出版された雑誌ブレンドNo.2(1983)に掲載されていますので
引用しておきます。
『一関駅から歩いて5分。カウンターだけで6席しかない、ほんとうに小さなコーヒー店
である。しかし、市内のコーヒー通の間ではまず、ほとんどの人が知っていると言って
よい。
オープンは昭和51年。店主の小原憲二さんは、開業前コーヒー卸問屋で焙煎技術を
じっくり学んだ。それだけにコーヒーへの思い入れは、温厚な人柄からは想像がつか
ないほど熱く、鋭い・・・・・・・』
マスターの小原さんとも仲良くなり
高校卒業ひかえ、
上京しての大学進学が決まった時、
「東京に行くなら、この店にいったほうがいい。」
といって、手渡されたメモには
銀座『カフェドランブル』の
場所が書かれていたのでした、、
2.『風車』移転。改名『チャフ』
その後、駅前の『風車』は、
名前を変えて移転をし、
文化センターそばの自家焙煎の店『チャフ』となり
再び去年、郊外の山の中に移転をして
現在の『チャフ』になっています。
年末年始は、岩手に帰っておりましたので
毎度の事ながら『チャフ』に行ってきました。
今は,人気の少ない山の中の店です。
自宅の庭先に一戸建ての店を構えて
主に車での客を相手にしながら
豆の卸売りのほうも力を入れているようです。
店の外観です。
看板です
中に入ると、今年一年の活動を暗示するように、麻袋が無造作に置いてありました。
それから、ホームページを作るそうで、ギフトの撮影の真っ最中でした。
店内の様子です。
マスターの小原さんです。
焙煎機はラッキーの4キロ釜。
コーヒーは、抜けの良い、あっさり系ですが
コクや甘みを消さない工夫をしているように感じられました。
窓の外は、すごいです。暖かくなれば、田んぼと山だけの風景になります。
「田舎の立地を生かしつつ、どうやってコーヒーを広めていくか
色々試行錯誤しているのだ」
と言うお話をマスターから聞く事ができました。
また、今度お盆にお邪魔したいと思います。
その節もよろしくお願いいたします。
きょうは、
コーヒーの出会いと、現在の『チャフ』のお話でした。]]>
BASIE(ジャズ喫茶)
http://tonnkiti.exblog.jp/2985124/
2006-01-08T15:05:50+09:00
2012-12-24T18:17:59+09:00
2006-01-08T15:05:51+09:00
tonnkiti2002
お店
(高校までの18年間、生まれ育った町です)
今年は、どこも雪が多いらしいですが、やはりこんな感じでした。
市内の中央を流れる川ですが、
雪降る中、白鳥にえさをやっている人もいます。
ランニングしている人もいます。
それでも積っている雪は10センチ程度ですから
ちょっと不便だなーと言う位で、たいした事はありません。
晴れるとこんな感じで、
さわやかな、いい気分です。
実家に帰ると、必ず行く所が二つありまして。
一つは高校のとき初めてコーヒーに出会った店『チャフ』
それから全国区で有名なジャズ喫茶『BASIE』です。
これが、ジャズ喫茶『BASIE』の外観です。
オーディオマニアやジャズファンの聖地。は、言い過ぎではないでしょう。
「ベイシー詣で」と言う言葉があって。
全国のマニアが必ず一度は訪れてみたいジャズ喫茶として有名です。
遠方から来て、市内にホテルを取って
何日も通いつめる人もいると聞いた事があります。
地元では『ベーシー』と呼ばれています。
話しだすときりがないので、文庫本とホームページ等を紹介します。
興味のある方はご覧下さい。
『ジャズ喫茶「ベイシー」の選択』 著者:菅原正二 発行:講談社
(この本は凄まじいですよ。こだわりと言うか生き様と言うか。ぜひ一読をお勧めします)
店内写真http://www5f.biglobe.ne.jp/~toronto/basie.htm
レポートhttp://www.geocities.co.jp/MusicHall/3707/baisie.html
店内のスピーカーの前で目をつぶって聞いていると、
目の前に、本当にコルトレーンやマイルスがいて
演奏しているような気がするんです。
目を開けると暗闇の中にスピーカーしかありません。
これは不思議です。
それから
大きい音なのに、全然うるさくありません。
これも不思議です。
ボクはマニアでもなんでもないのですが
本物に出会うと言うのは大切な事で、
高校以来、何を聞いても、
ここの音が基準となっている事は間違いありません。
壁ぎわの席に座ると、
土蔵を改造したその土壁は、
沢山のサインやイタズラ書きで埋まっています。
そのイタズラ書きが、豪華なんです。
とんきちミーハーなもので、いつも有名人を捜してしまうんですが
例えば今回の席の壁には「ももいかおり」「しゅんぷーてーこあさ」
「えるびんじょーんずの写真」「いろかわだいきち」等が見られました。
みなさん、ベーシー詣でを済ませた模様です。
演奏の方は、カウントベイシーオーケストラとデュークエリントンと
アートペッパーが、ガンガンやってました。
アートペッパーのミーツザリズムセクションは、
うちで聞くとなよなよした感じですが、
さすがに『ベーシー』で聞くと、バリバリのゴリゴリです。
全部が全部、ドッカーン!!です。
(すんません。味と同じで、音も説明できないんです。これが。)
デュークエリントンの時は、マスターの菅原正二さんが、
なんの興に乗ったのか
スピーカー前のドラムセットをたたいて、
LPレコードとセッションを始めました。
違和感ありません。
まさにセッションです。
レコードサウンドと目の前のドラムのナマの音は
何の障害もなく融合しています。
不思議です。
コーヒーの方は、もう一軒の店「チャフ」に譲りまして、、、
実はここで20年来コーヒーを飲んだ事がないのです。
いつも「コーラ」でして。
今回も「コーラ」を頼んだ所、在庫がないらしく
御大みずから外の自販機で買ってきた様子でした。
三枚LPを聞いて、一応満足と言う事で
次回は、
コーヒーの店「チャフ」のレポートをしたいと思います。]]>
移山房
http://tonnkiti.exblog.jp/2577159/
2005-11-13T00:28:41+09:00
2012-12-24T18:17:59+09:00
2005-11-13T00:28:18+09:00
tonnkiti2002
お店
今年の4月17日になくなってしまった、不思議なお店のお話です。
1.
山田幸男さんの名前を初めて知ったのは、「銀座カフェドランブル物語」1990年。です。
(もう15年前になってしまいます。)
この本では、ランブル関口氏の弟子山田氏の最初の店の事をこう言っています。
「十一房珈琲は、関口珈琲が山田幸男を通して、現在進行形で血肉化している。」
これを読んだとんきち、思いました。
『十一房珈琲』行ってみたい!
でもどうやって行っていいの?
住所も電話も書いていないし(当時はネットも何も普及していない時代ですから)
追求のしようがなかったのです。
結局行きませんでした。
(今思えば「blend」に、ちゃーんと載っていたんですね。本当に残念です。)
次に山田さんの名前を見たのは、柴田書店の雑誌「OYSYコーヒー・紅茶」1994年。です。
そこでは、カフェ ドゥ ワゾーの宗さんの紹介でこう言っています。
「ランブル出身のコーヒー店主は少ないが、荻窪移山房の山田幸男氏と並ぶ優等生」。と。
山田さんお店かわった様です。
そして3回目に山田さんを見たのは、今年出された「コーヒーに憑かれた男たち」2005年。
ランブルでのお弟子さんぶりが、詳しく書かれています。
山田幸男さんの店『移山房』。
行ってみたいです。
15年たった今度は、ネットがあります。
しかし、情報が少ないらしく
色々検索をかけるのですが、『移山房』なかなかヒットしません。
唯一いけそうなのは「こてまり珈琲」さんのブログの文で。
こんな事が書いてありました。
「日曜日です。またまた荻窪へ向かう。日曜日だけ開業というスタイルでちょっと普段はお目にかかれない店で、今回購入できてラッキーでした。」
(店先を写した写真までついています。)
わかりました!!
場所は荻窪。曜日は日曜日。
結局、今回も、住所も何も書いてありませんが
こてまりさんの写真をプリントアウトして、カバンに詰め込み、
電車に乗って。GO!!です。
2.
初めてなんです。荻窪。
来る前からわかっていたんですけど、やっぱり右も左もわかりません。
駅からどれだけ離れているかも、北口なのか南口なのかすらサッパリわかりません。
そうゆう時は、どうしたら良いんでしょう?
とにかく、デタラメに歩く事にしました。
気の向く方に。何となく。
しかし30分もデタラメに歩いていると、疲れてくるし
いい加減、帰りたくなりますね。
北口の交番!!
あそこで聞けば何かわかるかもしれません、、、、
「あのー。移山房と言うコーヒー豆屋さん探しているんですけどお。」
ベテラン風のお巡りさんが、住宅地図を探してくれています。
載っていない様です。
「日曜日しかやっていない店なんですけど。」
「写真はこれなんですけど。」
「隣に写っているクリーニングね。これわかりゃあインだけどねえ。見えないもんなあ。」
「わざわざ来るくらいだから、おいしいコーヒーでも出してるんだ。」
「えー。そりゃあもう。幻のコーヒーと呼ばれてまして。それはすごいと。」
(半分口からでまかせです。)
「それなら、こっちの方こそ教えてほしいなあー。」
大げさに言ったかいあって、若いお巡りさんたちも3人ほど寄ってきます。
その中の一人が、、、
「写真に写っている道路のブロックね、教会通りのやつじゃないの?これ。」
「教会通りですか?」
「どこにあるんですか?それ。」
「わかりました。とにかく行ってみます!!」
「幻の店見つけたら教えて下さいね。」
(お巡りさん4人に見送られて、豪華な出発です。)
3.
行ってみました。教会通り。
狭い路地で、沢山店が並んでいます。長〜い通りです。
だんだん店がなくなってきます。
終点の教会まで来ました。
『え?』
「移山房、なかったじゃ〜ん。」
引き返します。
今度は、教会の角を逆の方に曲がってみます。
ありました!!
やっと、ありました。写真の店が。
最初の本「銀座カフェドランブル物語」から数えて、15年越しの出会いです。
サッシのガラス越しに、中が見渡せます。
しかしね。
ガッカリです。
ちょっと、かっこわるー。
ふるくて。意味なく広い部屋。
中古の本棚と、きたない古本。
拾ってきたような家具や、ガラクタのようなものがバラバラに置いてあって、
こてまり珈琲では「工場の様」と言ってますが、
店と言うにはチョットためらいのある、
ビンに入っている焙煎豆も、しなびたような感じで色も薄く、、、
とんきちの専門店の豆の勝手なイメージでは、
「フルシティーでテカリのある、そして張りのある大粒の豆が、ビン詰めにされ
かっこいいラベルが貼ってあって、ピカピカ輝いている」
こんな感じなのですが、
ここは、照明の蛍光灯のせいか、しなびた感じがする豆が2種類だけ、
メニュー表にも5、6種類だけ。
焙煎機の排気も、部屋の換気扇に煙突の先をくっつけていて
外の道路に煙をボーボーと出しているんです。
古い富士ローヤルがからから回っています。
出てきた山田さんのイメージも、
なんか違います。
とんきちの思う、名店の焙煎士は、カフェドゥワゾーの宗さんや、どりっぷの川中さんや、
ヤギのヒゲが似合いそうな、やせ顔で、どこかぴりぴりした感じで
フトコロに刀を忍び込ませているような、いつも内心怒っているような、
緊張感のある人ばかりです。
しかし、目の前にいる山田さんは拍子抜けです。
どこにも、なんにも、隠し持っていないのです。
小柄で、丸顔で、小太りと言うよりはがっちりしたタイプで
銀ぶち眼鏡で、心からリラックスしているように、ニコニコしています。
鼻筋が通っている所は、他のマスターと共通しているでしょうか。
でも、ニコニコなんです。
なんか、いろいろイメージと違ってがっかりしたので
とりあえず、話しかけるのはやめにして、
ブレンドとブラジル・ピーベリー。200gずつ頼みました。
すると、今度は
古い冷蔵庫の中から、
ぼこぼこに歪んだ茶筒の缶を出してきて、
フタを止めていた、ぐるぐる巻きのガムテープをはがして
なんだか、カサカサした豆を出してくるのでした。
(良いとこなしの第一印象ですが、ただ一つだけ良いと思ったのは、
ピーベリーを頼んで「ピーベリーって良いんですかねえ?」とカマをかけた時の答えです。
『いやそうとも限りませんよ。これはたまたま良かっただけですから。』と言ってました。
「こりゃあ正直な人なんだなあ」「ブランドかぶれしてないんだな」と思いました。)
4.
ガッカリしながら家に帰って
飲んでみて、
ビックリしました。
本当にビックリ。
感動とビックリで、しばし呆然。
しばらく声なし。
心と体の求める。品のある。旨味たっぷりの。
砂糖を入れたかと思うほど甘い。
後味のきれいな。
絶妙コーヒーがここにありました。
新世界の体験です。
今までで一番のコーヒーかもしれません。
珈琲の最先端では
人格が味に出ます。
これは、確実です。
山田さんの事を知らなくても、
珈琲は語っています。
ランブルの上質な系譜は、
まさに、ここに生きていました。
その上にさらに、山田コーヒーがクリエイトされていると思いました。
感動コーヒーは、
涙が出そうになります。
こうゆうコーヒーが、
日曜だけのあの店で作られている事の不思議。
店の様子と、このコーヒーの落差はなんなんでしょう?
苦労して探したかいがあったなあと。ホント思いました。
どうして今まで出会わなかったんだろう。ホント後悔しました。
5.
次の日曜日には、またお伺いして、今度はコーヒーの感動を山田さんに伝えました。
焙煎も見せていただきました。
ブラジル・ピーベリーの1ハゼは、パリパリと行った感じの薄い音でした。
バチバチは爆ぜません。
『1ハゼ、2ハゼと言いますけど、皆さん火が強すぎるんじゃないですかねえ』
と言っていました。
焙煎機の中も見せていただけ、半熱風のドラムの説明をして下さいました。
シリンダーの突き当たりの全体が、φ5くらいのパンチングになっていました。
さらにビックリな事には、あと2ヶ月もしないうちに、閉店するとの事です。
「コーヒーに憑かれた男たち」の山田さんのページのコピーとともに
丁寧な閉店のご挨拶をいただきました。
そこには山田さんの経歴も書かれており
『十一房珈琲』も書かれてあります。
東京にはいまでも、有楽町と自由が丘に「十一房珈琲」があるのですが
開店時に仲間と相談して、同じ名前の店にしようとしただけで
経営は直接関係がないそうです。
その後4〜5回通いましたが、
ランブルを懐かしむ声はついには聞く事ができませんでした。
「再開する予定はないのですか?」と聞いた所。
『ハイ。今の所は、決めていません!!』と言う、
大きな声の、きっぱりとした返事が印象的でした。
『いつか、再開のおりには、ぜひ連絡を下さい。』と、メールアドレスを渡しました。
4月17日を最後に、
『移山房』は、もうなくなったのです。
その後の夏には、
ていねいな暑中見舞いのメールもいただいきました。
これからも、山田さんのコーヒー人生に幸多き事を
心よりお祈り申し上げます。
コーヒーファンとして、
山田コーヒーの再開を心待ちにしております。
]]>
CAFE 丸福珈琲店
http://tonnkiti.exblog.jp/2512701/
2005-11-07T00:44:34+09:00
2012-12-24T18:17:59+09:00
2005-11-07T00:42:10+09:00
tonnkiti2002
お店
9月にオープンした巨大電気デパートで、ディズニーランドより人を集めたとか、
相当話題になっていましたので、旧聞に属するかもしれませんが、
とんきち、新しいファックスに買い替えるのを口実に、
流行のスポットを見物に行ったのでした。
ドーンとそびえる巨大電気デパート。
入口のフロア案内を見ますと
4階売り場の横に、『CAFE 丸福珈琲店』と書いてあります。
ハテ?『丸福珈琲』とな?
脳内メモリを検索しますと、二つのことが思い当たります。
一つは、近くのスーパーで売っていた「丸福珈琲」。
大きめの栄養ドリンクみたいな、四角い小ビン入りのアイスコーヒーで
スーパー売りにしては珍しい、こってりとした深煎り珈琲エキスで
濃いのが好きなとんきちは、時々買ってきては、氷で薄めて飲んでいたのでした。
もう一つは、中国に住んでいる友人からのメール。
「上海に一人で乗り込んできて自家焙煎の店をやっている日本人がいるらしい」
「その人は丸福珈琲と言う所で修業した人らしい」 と言う情報が寄せられたのでした。
どっかで聞いた話だなーと思って、調べてみると
フレーバーコーヒーのホームページによく出てくる、「上海クン」の事だったのでした。
その時は「ふーん。上海クンってあのアイスコーヒーの店で修業したんだ」と思った程度でした。
さて、アキバの『CAFE 丸福珈琲店』です。
さっそく、買い物帰りに、よってみる事にしました。
オシャレな感じの今風チェーン店カフェですが、ロゴが丸に副の字だったり。
大正時代を思わせる白黒写真が幕板にレイアウトされていたり。
メニューに「浪速名物フルーツジュース」があったり。
ちょっと他とは違うぞ。と言う雰囲気もあるのでした。
手始めですので、ブレンドコーヒー420円と、小さなカップに入ったチーズケーキ320円を
頼んでみました。
出されたコーヒーカップには丸に副の字のロゴ。
それから、角砂糖が二個ついています。
席について周りを見渡すと、
少しくらい雰囲気ですが、色々工夫してオシャレを狙っているんだろうなー
と、思わせる、いわゆるカフェ風で、女性客も多いようです。
コーヒーを、軽く、ひとくち、すすりましてと、、、、、
ゔっ。
げっ。げっ。
うーん。
ショックです。
ひとくち目で。この衝撃はいったい。
うーん。
グッときます。
濃いんです。
参りました。
煎りが深いんです。ごめんなさい。
こってり。こてこてです。
ストロングです。
世間は薄いコーヒーばっかでしょうがねーなー。と。
思い上がっていました。スミマセン。
とんきちの思うデミタスの2倍から3倍の濃さで、
しかも普通カップですから量まで3倍です。
合わせて9倍の迫力です。参りました。
とんきちの勝手な分類ですが、
コーヒーには「戦前コーヒー」と、「戦後コーヒー」がありまして
「戦後コーヒー」は、アメリカンタイプの酸味系のうすいコーヒー。
「戦前コーヒー」は、フレンチローストの真っ黒にがにがコーヒー。
少しくどいヨーロピアンタイプで、
今では滅多にお目にかかる事もなくなったタイプのこーひーです。
その「戦前コーヒー」がたった今。この目の前に。
しかも周りは、最先端のマルチメディアで、オシャレカフェ。
カップの中はドーンと9倍コーヒー。
濃くて飲みきれないかもしれません。
チーズケーキ食べると、舌が救われます。
周りはオシャレカフェ。
この落差。ショックです。
お店のパンフを見たり。帰ってきてネットで調べたりすると、
『丸福珈琲』と言うのは、「創業昭和9年」「千日前」で有名な
大阪の老舗喫茶店のようなのです。
「濃い珈琲の極み」ともかいてありました。
とんきちは東北出身で東京在住なものですから
関西方面の事は、とんと縁がないもので、知りませんでした。
大阪方面の皆サーン!!『丸福珈琲』が、東京でCAFEやってますよー!!
でも,コーヒーはそのまんまですよー。
しかし、あのストロングコーヒーが、一般に受け入れられるのでしょうか?
周りを見てみると、みんなジュースばっかり飲んでいるのが、ちょっと気がかりです。
コーヒーは間違ったコーヒーではありません。
甘みと、よい苦みの、パンフによりますと「決してえぐいものではなく、コクが深いのに、
後味はさっぱりしている」コーヒーです。
しかし落差がショック。
東京の皆さん。知らなかったらぜひ一度、行ってみて下さい。
決してCAFEの外観に惑わされないように。
大阪の老舗のコーヒーが味わえます。
しかし落差がショック。]]>
珈琲サイフオン社(工場・豆売り)
http://tonnkiti.exblog.jp/2374423/
2005-10-22T22:07:25+09:00
2012-12-24T18:18:45+09:00
2005-10-22T22:05:32+09:00
tonnkiti2002
お店
きょうは巣鴨の珈琲サイフオン㈱に行って、初めて「コットンペーパー」を買ってきました。
珈琲サイフオン社の場所は、
巣鴨のとげ抜き地蔵のJRをはさんでちょうど反対側です。
白山通りから数えて、平行な路地の2本目に
珈琲サイフオン社はあります。
こことの出会いは、たまたまで、
以前(といっても10年ほど前)千石という所に住んでいまして、
そこから巣鴨の駅に行く途中に、怪しげな焙煎工場があった、
という程度のものでした。
怪しげなと言うのは、そこは、工場と言うには余りふさわしくない、古ぼけた二階建ての、路地際ぎりぎりに建っている、ただの民家だったからです。
ただの民家と大きく違うのは、表に銀色の高い煙突が7本も、二階屋根よりも高く突き出し、並んで壁にへばりついている様子が珍しいことです。
それから道ばたにチャフの詰まったザルなどが置いてあるときもありました。
時々、焙煎の良い香りがするときもあります。
小さな入り口に作った無理矢理な場所で、焙煎豆も売っているようです。
そのころ、いつもは新宿のヤマモトコーヒーから生豆を買っていたのですが。
あるとき思い立って、
その謎の焙煎工場から買ってみようとして、出かけたのでした。
『あのー、生豆が欲しいんですけど。分けてもらえますか?』と近くの人に聞くと、
『ああそれは社長だ。』『シャチョー!!シャチョー!!』と呼んでいます。
出てきた人は、ニコニコ笑顔の(いや、目が細くて垂れていただけかも知れませんが)
小柄なおじさんでした。
『どんな豆が良いんだ? どおやって焼いているんだ?』と聞いてくると
その辺に転がっている麻袋の一つ一つをあれこれ自慢げに説明してくれます。
うちは良い豆を使っているんだ。と。
それから焙煎機も奥にあるのまで1台1台説明してくれるので、とても感激しました。
とんきちは、そのとき初めて、「プロバット」を見ることができたのでした。
狭い工場民家の中には、鴨居も敷居もぶち抜きで、
熱風も、直火も、あらゆるタイプの焙煎機が所狭しと並んでいるのでした。
オヤジさん曰く
自家焙煎と言ってる喫茶店は趣味に走り過ぎである。
お客さんの欲しい物を作るのが本当の商売である。
自家焙煎の店があれこれ焙煎について行っているが
たった一台の小さな焙煎機の経験で言っているだけで、
あらゆる物をやっているのではないから意見が偏るのではないか?
よく蒸らしとか言うがそんな物はありはしないのだ。
うちはドラムの回転数を調整して焼き加減を作っている。
コンピューターで回転速度を制御しているのだ。
などなど、十年経っても覚えています。
強烈な印象の社長さんでした。
その人が「コーノ式」で有名な、河野さんだと知ったのはつい最近、
コーノ式が流行りだしてからですから、三四年前のことです。
最初は、あの工場と、おしゃれなコーノドリッパーが結びつかなくて、
名前も「サイフオン社」ですから、ドリップとは結びつかなくて。
ビックリするやら、驚くやら。
珈琲サイフオン㈱のホームページを見ますと
河野社長が、焙煎講習会を開くなどして一生懸命若者を育てている様子が分かります。
講習用の簡易焙煎機も開発されているようです。
珈琲サイフオン社が、歴史の古い、まさに「名門」であることもわかります。
先代の社長もお元気で現役だとも書いてありました。
今は飛ぶ鳥を落とす勢いの「コーノ式」を発明したのは、
この先代の社長のようです。
さて、今日はその珈琲サイフオン社に、新製品である「コットンペーパー」をやっとこさ買いにいったのでした。
(買うならここでと決めていたのです。)
2.
実は、ここまでが前置き。
買いにいった裏路地の、無理矢理な玄関を入ると、
中はただならぬ雰囲気なのでした。
片付けられた工場の一角に、折りたたみのいすがきれいに何列にも並べられ
そこには誰も座っていないで、前の方に30人ぐらいの人垣ができています。
ピンと来ました。講習会です。
やってます。
講習会はカリスマしかやっちゃあいけません。
田口さんと、堀口さんと、ワニさんと、、、、
河野さんもその一人なんですね。
盛り上がっています。
「アドバイザー」の肩書きの名札をさげた、20代前半くらいの若者が10人くらい
珈琲を入れたカップを配ったりみんな一生懸命アシストしています。
多分いつもの講習会の生徒さんなのでしょう。
良い生徒さんがたくさんいます。
今日はなんとコーノさんのお父さん
御大みずから講釈しながら珈琲を入れています。
年の頃ならランブルの関口さんよりちょっと若いくらいでしょうか?
大振りな黒ぶち眼鏡がよく似合います。
とんきちがいったときにはペーパーの抽出は終わっていて
今度はネルが始まったときでした。
とんきちは講習を予約した訳ではないのですが、
スタッフに断って後ろの方で聞かせてもらいました。
最後は御大のコーヒーも味見させていただきました。
ラッキー!!
10人分くらい一緒に抽出するのですが。
ビックリしたこと。
ランブルポットを使って入れているのに、湯の線は、野太く、いい加減です。
自分でも言っていました。『いい加減だろ。慣れは怖いよな。』と
それから、コーヒーはネルが一番だと。
サイフォン社にしてコーノ式の発明者が言っておりました。
ネルが一番だと。
それから、隣に湯を入れた透明なガラスのサーバーがあったんですが。
一通り抽出が終了して、どうするか見ていると
入れましたね。透明な湯を。
今抽出が終わったばかりのサーバーに、
隣に準備してあったお湯を、ザアーっと、やおら継ぎ足しました。
3割から4割コーヒー液が増量したでしょうか。
ランブルの関口さんが見たら、白目を剥いてぶっ倒れるかもしれません。
とんきちは「松屋式」の抽出で実験済み、とはいえ
目の前でドバーット加える透明なお湯を見ると
ホントにビックリします。
味見させていただいたコーヒーは、
煎りの深いコーヒーをネルであっさり入れた物ですから
柔らかいけどすっきりしている、
甘さと、さわやかな苦みのコーヒーなのでした。
つぎにサイホンコーヒーの講釈が始まる所でしたが
余り興味がないので帰ってまいりました。
3.
家に帰ってきて早速『コットンペーパー』でいれてみました。
少しもったりした感じですね。
ネルは、すーっと湯が通り抜ける物です。
普通のペーパーより、もっと通りのよいものを想像していました。
実際は逆なような気がします。
いれ方をコットンペーパー用に考えなければ使えないなあ。
と思いました。
やはり御大のおっしゃる通り
ネルが最高なんでしょうか。
追伸
御大は、ネルの起毛は、外だと言っていました。理由が面白いです。
起毛が内だと、粉がからまって掃除しにくいから。
無理して掃除すると、起毛が抜けて早くネルが傷んでしまうと言っていました。
もっとすごい理由を期待していたんですが、あっけらかんと言っていました。
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サンマルクカフェ
http://tonnkiti.exblog.jp/2354614/
2005-10-20T00:17:17+09:00
2012-12-24T18:18:45+09:00
2005-10-20T00:15:26+09:00
tonnkiti2002
お店
(なんか最近、あちこちでよく見かけるような気がして、
気になっていたんです。)
お店はよく繁盛していてにぎやかでした。
茶色い木目調の内装は、流行を意識して70年代風なんでしょう。
落ち着いた感じに仕上がっていて、誰にでも受け入れられやすいきがしました。
お父さん世代は懐かしい、お兄ちゃん世代にはかっこいい。
それでいて全然古くない。清潔感もあります。
入るとまずパンが並んでいるんですね。
チョコクロという商品名のチョコが入ったクロワッサン、アンパン、メロンパン。
小振りなパンが、みんなホットプレートの上に並んでいて新鮮で、とてもおいしそうです。
バイキングのような感じで、甘党のとんきちは、目移りしてしまって
結局一押しの商品らしいチョコクロ(137円)にしました。
そしたら、次にケーキもいろいろあるんですね。
気合いの感じるケーキが並んでいて、パンでなくケーキか?とも。
迷いだしたらきりがないですね。サンドイッチもあります。
列が詰まっていると、先に「お飲物」を聞いてきます。
コーヒーにはブラック(179円)とブレンド/砂糖ミルク付き(189円)などがあり、この十円の違いがニクいと言えばニクいですね。
ブラックという物を頼みました。
清算についた頃には、待たずにコーヒーが出てきます。
二階の席にいくとします。
階段を上り、席を探し、ほっと一息つくと、
ちょっとビックリです。
実は、広いんです。
テーブルや、通路や、いすの間隔が、
天井はむき出しのコンクリートを黒く塗っただけなので
高く感じます。
静かなんです。床がカーペットのせいでもあるでしょう
ガタガタした感じがしません。
話し声が吸音されているような感覚です。
フロアによって禁煙/喫煙が分かれているらしく。
空気は濁っていません。
みんな誰にも邪魔されず、好きな事やってます。
仕事の書類を広げたり。勉強したり。
PCを持ち込んだり。
おしゃべりしたり。
自分のスペースが十分確保されている感じです。
グレードとしては、ホテルグレードでしょうか。
仕掛けはチープなんです。
なんせセルフサービスですから。
ドトールやスタバなどと同等なのです。
ですので空間や内装も同程度のグレードを想像していたので
ちょっと裏切られました。
ビックリです。
これが差別化という事なのでしょう。
『フレーバーコーヒーのホームページ』に
「喫茶店に対する要望」というコーナーがありますね。
水がマズいとか、入りづらいとか、落ち着けないとか、値段が高いとか
いろいろ要望が書いてありますけど。
ほとんどクリアしてます。
サンマルクカフェ!!
恐るべし。
サンマルクカフェ。
これからも多分どんどんいきますね。
サンマルクカフェ。
ドトール/スタバに続く第三の波のような気がしました。
えー。肝心のコーヒーのお味は、、、、、、
普通です。
普通の下。くらいでしょうか。
薄めで、飲みやすいのに救われます。
でも、いいんです。
これで、いいんです。
十分くつろげます。値段安いんです。ジャズがかかっているんです。
パンうまいんです。好きな時間が過ごせます。
またきます。
買い物で疲れたら必ず来たくなります。
満足です。
「味は値段で解決する」と言った
外食産業のオーナーがいました。
味は雰囲気や、使い勝手でも「解決」するのです。
喫茶店の役割とは?
考えさせられた
サンマルクカフェでした。
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ダフ二
http://tonnkiti.exblog.jp/2327230/
2005-10-16T00:05:27+09:00
2012-12-24T18:18:45+09:00
2005-10-16T00:04:39+09:00
tonnkiti2002
お店
(ここは、襟立さんという今は亡きコーヒー名人の、数少ないお弟子さんの一人
業界では珍しい女焙煎師、桜井さんお店です。
とんきちは『コーヒーに憑かれた男たち』という本から情報を得て、来店を決めたのでした。)
お店のたたずまいは、気合い満々の表通りの店、ではなく。
裏通りのしかし繁華な飲屋街を過ぎて、さらに奥の住宅街の一角。
自宅で趣味ででもやっているのだろうか?と言った風情の
商売っ気からは、少しかけ離れたような
でも、もしかしたなら専門店か?と思わせるような不思議な感じで、
おもてのピンクのテント地のひさしには、確かに『ダフニ』と書かれているのでした。
サッシ越しには麻袋や焙煎機も見えますし。
コーヒー豆のビンもひな壇に並んでいますから、
自家焙煎のお店なのは確かなようです。
さらに奥には喫茶のできる
テーブルも少しあるようです。
さて、
はやく仕事が終わってタクシーを飛ばしてきたものですから
時間は7時頃でしょうか。
サッシが開け放たれていて、
何となく、もう閉まりかけ?という感じでしたが
ちょっと勢いつけて入ってみました。
50過ぎたくらいでしょうか?
女性がいます。この方が多分、本で見た桜井さんです。
女 店主 『豆ですか? それとも、、、』
とんきち 『飲んでいきたいのですが、、、』
女 店主 (飲むの? もう閉店だし、片付けてしまったし、ううん、しょうがないなあ)
『まあいいですよ、座ってください』
『なににします?』
『すみません、ブレンドで。』
一対一で、初対面で、ご自宅のような所ですから
気まずいですよね。
お湯を沸かし直して、
豆を挽いて、
少し深目のお湯をさすと全体が丸く膨らむような感じのネルで
すこしあっさり目に入れています。
沈黙が流れます。
カウンター越しには、
伝説の人、襟立さんの写真が飾られているのが見えます。
本で読んだ印象ではアップの大きな顔写真かと思っていたのですが、
実際の写真は
お店でポットを握ってコーヒーを入れている様子の上半身で
黒ぶち眼鏡でベレー帽のような物をかぶっていて
顔も小さくしか映っていないので
その人となりまでは、はかりかねるような写真でした。
どうぞ
コーヒーが出てきます。
沈黙が流れます。
こりゃあ、もうしょうがねえな。
という感じでしょうか。
切り出して、話をつなげるしかありませんね。
こういうときは。
とんきち 『本を読みまして!!』
女 店主 『あのー、、、、』
とんきち 『コーヒーに憑かれた男たち、です。』
表情が柔らかくなる女店主。
やや間があって。
女店主 『あの中で誰が一番印象に残っていますか?』
とんきち 『襟立さんという方は、いままで知らなかった物ですから、、、、』
『写真が見れると思ってここに座りました。』
という訳で、
その後、襟立さんについて、
コーヒーについて、沢山の貴重なお話を聞くことができました。
桜井さん、
襟立コーヒーは、モカの標さんのコーヒーや倉敷珈琲館の物とも違う物です。
襟立さんのコーヒーは、標さんや倉敷さんのようにドッシリしたコーヒーではありません。
どちらかといえば軽い、すっと飲めて、いつの間にか飲みきっているようなコーヒーです。
そして、すぐにもう一杯欲しくなります。
桜井さん、
先日、ランブル関口さんのコーヒーを飲んでやっとわかりました。
関口さんのコーヒーを理解するのに30年かかったことになります。
襟立さんとの違いは、味覚の違いでした。
例えるなら料理における関西のダシと関東のダシの違いのような物です。
育った環境によって味覚の範囲が全然違うのだと感じました。
桜井さん、
私にだって30年かかったのですから
味のわからない物を無理してありがたがることはないのです。
ランブルのカウンターで味がわからなかったら、
すみませんと言って、砂糖を入れればいいんです。
自分の味覚を信じる事です。
桜井さん、
私がコーヒーを習ったときは
そんなすごい先生だとは知りませんでした。
ただ、こんなにおいしいコーヒーを作る人ならと思い
習っただけです。
襟立さん曰く、
『西洋人にはない味覚、日本人にしかわからない”うま味”を出しなさい。
酸味でも、甘みでもなく”うま味”!!』
襟立さん曰く、
『プロは、そこそこの味でもいいから、いつでも同じレベルで出せる事が肝心だ。』
襟立さん曰く、
『一度売った豆はどのように扱われているかわからないのだから、
最初から、どのように扱われてもいいような豆を作りなさい。
例えば、砂糖を入れられようが、ミルクを入れられようが
それに負けるようなコーヒーではいけない。
もしかしたら、すぐに飲まずに一ヶ月後二か月後に飲むかもしれない。
そのときに油まみれでとても飲めないような物になっていてはいけない。
一ヶ月経っても、二ヶ月経ってもそれなりに飲めるコーヒーでなくてはいけない。』
桜井さん、
本に自分の事が載ってからやっと吹っ切れることができた。
自信を持って豆を売ることができるようになってきた。
とんきち、
そんなあっさりしたコーヒーで、砂糖にもミルクにも負けない物があるのだろうか?
透明で、きれいな、それでいて深みのある、味覚の幅の広い、旨味のコーヒー。
ぜひ一度飲んでみたい物だ。
もう、
襟立さんはこの世にいないのですから
それは叶わぬ願いである訳です。
しかし、そういいながら
飲んでいるダフニのブレンドは
あっさりしているのに香ばしさが口中に広がり
甘みのような旨味の感じられる
もう一杯飲みたくなるようなコーヒーなのでした。
一時間ぐらいたったでしょうか、
500円を払い。
お礼を言って
お店を出てきました。
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